アメリカとイタリアの「蜜月関係」崩壊
2026年4月、トランプ大統領が、伊紙「コリエレ・デッラ・セーラ」の電話インタビューに応じて、「彼女は勇気があると思っていたが、間違いだった」「もう以前の彼女ではない」として、メローニ首相を公然と批判した。
これに対して、メローニ首相も「受け入れられない」と応じ、これまで慎重に避けてきたトランプ批判に踏み込んだ。これまでの両者の蜜月関係を思い起こすと、とても考えられないことだった。
2025年1月のトランプ大統領就任式に出席した欧州の首脳は、一人だけだった。イタリアのジョルジャ・メローニ首相である。トランプ氏はメローニ首相を「本物の切れ者」と呼び、両者は「ウェストを再び偉大に(Make the West Great Again)」という共通の標語を掲げた。
その後も、メローニ首相は対米関税問題で真っ先にホワイトハウスを訪れ、トランプ氏のヨーロッパにおける「特別な窓口」として振る舞っている。メローニ首相はアメリカとEUを結ぶ最大の窓口となった。
お互いにメリットのある関係だと見られていたが、ここに来てあっさりと壊れてしまった。
この決裂は政策で対立したために起こったものでなく、構造的に起こった必然の決裂だった。「価値観で結ばれた蜜月」が、国益の衝突という現実の前でいかに脆弱であるかが明らかになったのである。
イラン攻撃への協力をはっきりと拒否
対立の直接の引き金になったのは、イラン戦争をめぐる軍事協力問題だった。米軍はイランへの作戦行動に際し、シチリア島にある米海軍航空基地シゴネッラへの爆撃機寄港を求め、イタリア政府は公然と拒否した。
シゴネッラ基地は地中海作戦の要衝であり、NATOの枠組みでも重要な位置を占めている。フランス政府が南仏の基地について「米軍機の攻撃任務には使わない」という条件付きで柔軟に対応したのと比べると、イタリア政府の態度は冷淡に見える。
実際、これは多くのメディアでも意外なことだと受け取られた。


