「取引相手」としての振る舞いが重要

反対に、「日本は何でも言うことを聞く」と思われると、要求はエスカレートしかねない。漠然とした同盟への依存ではなく、取引の内容を具体化し、日本の国益を軸に「譲れない線」を設定することが重要だ。

最後に、メローニ首相が直面した国内政治との乖離という問題も、高市政権には他人事ではない。議院内閣制において首相の外交的自由度は常に国内政治に制約される。トランプ大統領がそのことを理解し、配慮してくれる可能性は低い。

トランプ外交の本質は「ディール(取引)」だ。「譲れない一線」を明確にし、その合理的な理由を簡潔に説明し、かつアメリカ国内向けの「果実」を与えてメンツを潰さないことが基本になる。

米伊関係からわかるように、価値観のみで結ばれた蜜月はいつか現実によって上書きされる。トランプ大統領とは「友情」を深めると同時に、ドライな取引のできるパートナーシップになるように、外交のあり方をつねにアップデートし直すことが必要だ。それが、メローニ首相の轍を踏まないために、日本が常に持っておくべき青写真である。

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