愛子さまへの期待

黒田長官の発言中には「今後、本格的に公的なご活動を担われることが期待される方もいらっしゃる」という表現も出てくる。これは具体的にはどなたを念頭においているのか。

悠仁殿下は目下、大学生でいらっしゃる。よって「学業優先」という制約がおありだ。だから、今後しばらくは「本格的に公的な活動を担われることが期待される」ということには、ならないはずだ。

また同じく秋篠宮家のご次女、佳子内親王殿下については、真偽不明ながら、これまで皇籍離脱を望んでおられる可能性も、しばしば取りざたされてきた経緯がある。

そうすると、おもに対象となるのは敬宮殿下だろうか。

天皇陛下のご意向

以上の宮内庁新旧長官の発言を受け止める上で大切なのは、それが決して長官本人の個人的な見解であるとか、単に役所としての宮内庁の見解などにとどまるものではないという点だ。そうではなくて、憲法上、ダイレクトに国政に関与することが禁じられている天皇陛下のお気持ちを踏まえている、と考えなければならない。

皇室をめぐる今の制度の重大な矛盾点は、皇室典範がもっぱら皇室の方々に適用されるルールであるにもかかわらず、国会の議決による法律と位置づけられていることだ。そのために国政事項とされ、天皇陛下をはじめ皇室の方々はどなたも、その改正についてストレートに発言できない仕組みになっている。

だが改めて言うまでもなく、皇室典範が当事者でいらっしゃる皇室の方々のお気持ちを無視した内容であることは、許されない。人道上の問題だけでなく、制度としての安定性、持続可能性を考えても、可能なかぎり当事者のご意向が反映されるべきだろう。

そこで、ご発言が制約される天皇陛下のお考えを代弁すべき立場にあるのが宮内庁長官であり、現にこれまでもそのような役割をある程度、果たしてきている。

ここに引用した発言は、まさにそのような文脈の中で受け取るべきメッセージだ。