スペースX・xAI「統合」の背景
同時に、xAI(エックス・エーアイ、イーロン・マスク氏が設立した人工知能開発会社)が開発するGrokアシスタント(xAIが開発する対話型AIアシスタント)をテスラ車両のOS(基本ソフト)に統合する方向性も語られた。車両を単なる移動装置ではなく、知能端末へと拡張する構想である。
そしてこの時期、SpaceX(スペースX)とxAIの資本・経営レベルでの連携強化が報じられた。2025年末から2026年初頭にかけて、xAIの組織再編とモデル強化が進み、スペースXとの統合的動きが市場で取り上げられた。形式的な完全合併は否定されているものの、通信インフラ(Starlink)、知能モデル(xAI)、社会的情報基盤(X)、物理実装(テスラ)という役割分担が、機能的に結びつきつつあることは事実である。
さらに、ヒト型ロボットOptimus(オプティマス)についても具体的なタイムラインが提示された。2026年内の工場内実装拡大、そして2027年以降の販売見通しに言及している。市場がこのスケジュールを慎重に見ていることは事実だが、経営者としてはロボティクスを明確な成長軸として位置付けている。
株価より重要な「具体的な行動」
これらを時系列で並べると、方向性は明確である。
モデルS/X終了――資源再配分
AIチップ強調――演算基盤の内製化
FSD高度化――データインフラ拡張
Grok統合――車両の知能端末化
スペースX×xAI連携――AI基盤の垂直接続
オプティマス実装――労働領域への拡張
モデルS/Xの生産終了とAI主軸化の発言を受け、決算直後の時間外取引では株価が一時的に上昇する場面も見られた。もっとも、その後の通常取引では業績見通しや市場全体のセンチメントを背景に値動きは揺れ、上昇が持続したわけではない。つまり、市場はAI戦略への期待を一定程度評価しつつも、短期的な収益や競争環境への懸念との間で判断を分けた、というのが実態である。
短期の株価以上に重要なのは、これは単なる将来構想ではないということだ。具体的なアクションの積み重ねである。
結論は明確である。
テスラはEV企業の延長線上で進化しようとしているのではない。AI主軸企業へと自らを再定義し始めている。
その転換点が、2026年1月末から2月初旬にかけて、明確に示されたのである。
これは宣言ではなく、資源配分という行動である。

