日本で好まれる“中国衰退論”の盲点

【河野】とりわけ、トランプ政権になって、基軸通貨国のアメリカは、ドル国際金融システムに各国がフリーライド(ただ乗り)していると批判し始めているため、この問題を見過ごすことができなくなりました。この問題は、後ほど議論しましょうか。

世界経済の死角
河野龍太郎、唐鎌大輔『世界経済の死角』(幻冬舎)

もう一つ興味深いのは、中国を仮想敵国として批判することが多いせいか、日本では“中国衰退論”が好まれます。たしかに権威主義国家の中国は多くの問題を抱えているのですが、日本などの先進国の失敗を「他山の石」として、うまく対策を講じているようにも見えます。

たとえば、2020年代初頭にアリババなどの巨大テック企業への規制を開始しましたよね。そのとき、多くの人が「中国はITデジタル分野の成長を自らつぶしてしまうし、成長は期待できないだろう」と考えました。さらに、教育格差の拡大を理由に、塾産業を禁止しました。

【唐鎌】ありましたね。非常に極端というか、中国らしいアプローチだと感じました。

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