成果は「戦う場所」と「投下エネルギー」の掛け算
成果は「戦う場所」と「投下エネルギー」の掛け算で決まる。適所を見つければ1の力で大きな成果を出せるが、そうでなければ10の力を注いでも投資効率は大幅に減衰する。
つまり努力の総量より、「努力が最大化される場所」に身を置けるかが決定的に重要ということ。
ひとたび適所を見つけられれば、一気に加速する。結果が出れば面白くなり、面白ければさらに努力を続けられる。
ここまでくれば、リスクなく「勝ちが確定しているゲーム」に参加するようなものとなる。
そのゲームに参加するためには、人生の早い段階で適所を見つけることが大切。そして、そこまでに求められるのは「諦めの悪さ」ではなく、むしろ「諦めの良さ」。
合わないと思ったら躊躇なく方向転換し、苦労せずとも成果が現れ、能力が自然に開発される土壌を探すべき。
不向きな場所からの撤退は逃げではなく、労力その他を投資するに際しての合理的な意思決定。粘り強さは「ここを主戦場とする」と確信できる場所にたどり着いたあと、発揮すればよい。
商売を続けるための生命線は、顧客の意識に常に残り、優先順位リストの順位を上げ続けるところにある。
売上が立たない理由は単純である。
「顧客にお金がないから」ではなく、「顧客の優先順位リストに、あなたの商品・サービスが入っていないから」に尽きる。
人間には可処分注意力、可処分時間、可処分所得という有限の資源があるが、誰もがこの三つを優先順位の高いものから順番に配分して生きている。
そのため、顧客にとって上位に位置づけられない商品は、どれだけ良いものでも「なかったこと」にされる。
財布が空なのではない。時間がないのでもない。単に「後回しにされた」だけ。その分、別のものが選ばれ、そちらに有限な資源(お金)が流れていく。
ビジネスとは、まさに比例代表制に似ている。顧客の頭の中にある優先順位リストで上位に入れば、議席(購入)は確定する。
逆に下位に沈んだ瞬間、あなたの商品は存在しないのと同じになる。このことを理解し、顧客の意識に常に残り、優先順位リストの順位を上げ続けることが、商売を続けるための生命線となる。
提供価値を高め、顧客に驚きを与える
ビジネスにおいて大事なのは「顧客の期待を圧倒的に上回る」こと。
顧客の期待に応えるだけでは足りない。期待を多少超える程度でもすぐ模倣される上、驚きも生まれない。
だが、圧倒的に上回る体験は、他者に再現されることがなくなる。その顧客体験が「この人(会社)からでなければ」と思ってもらえる信頼の源泉となる。
「卓越」「断トツ」といった言葉が顧客の口から自然に出るところまで、自身や商品を磨き続けるのが商売人の王道。
その域に到達できれば、営業不要となる。顧客の方から「ぜひ、あなたから買いたい」と言ってもらえるようになる上、紹介も生まれるから。
ドラッカーは「マーケティングの目的はセリング(売り込み)を不要にすること」と記している。最強のマーケティングは、提供価値を高め、顧客に驚きを与えようとする覚悟と努力の積み重ねの先にのみ、存在する。
そこで生み出される圧倒的な価値は、単なる一時の感動で終わらない。顧客の心に深く根を張り、長期的な信頼をもたらす。
ただし、この関係性は目先の利益を捨てる非合理的な覚悟と、絶え間ない試行錯誤によってのみ築かれる。


