「勝てる」と確信を持てる場所にフルベット

あれこれ手を広げ、同時並行で成果を追う「資源の逐次投入」は愚策であり、リソースの無駄遣いに他ならない。

勝ち筋は、「完勝できる戦域を見極め、そこに資源を一点集中で投下する」ところにある。これが人生戦略の核心といえる。

試行錯誤するところから始めて、勝てないと判断した瞬間にきっぱりと撤退する「見切りの早さ」が、次なる勝利を呼び込む余力となる。

次に、一度勝利を収めても、すぐに次の戦場を探すのは悪手である。最優先すべきは、成果を上げられた領域を盤石化すること。すなわち「成果が安定して産出される状態」にまで徹底して磨き上げること。

このサイクルを愚直に繰り返すことで、コントロールできる領域が徐々に拡張され、人生やビジネスの安定度は揺るぎないものとなる。

一気に成功したように見える人もいるが、実際のところ長く安定した成果を上げ続けている人の実態は「見極め→集中→コントロール領域の拡張」を繰り返しているにすぎない。

結局のところ、人生は「勝てる戦域にいかに資源を集中させるか」にかかっている。

「決定的な成果をもたらす、わずかな部分」

「石にも目がある」といわれる。どんなに硬い石でも割れやすい方向は必ずあって、それを「石目」という。同様に、物事には必ず急所が存在する。そこを突けば、わずかな力で巨岩を砕くことすら可能となる。

ビジネスも同じ構造を持つ。成果を左右するのは、努力の総量ではなく「どこを押すか」という一点にある。

急所を外しての努力は、 逆に徒労に終わる。つまり、事象から「決定的な成果をもたらす、わずかな部分」を見抜き、特定する能力を鍛えることが大事ということ。

上向き矢印のイメージ
写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn
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この見極めは、机上の「お勉強」だけでは決して身につかない。身体で試し、座学で確かめ、また実践へ戻る。

この往復によって、経験と学習が噛み合い、急所を把握する力が身につくようになる。

思いついたことを躊躇なく試し、さまざまな経験を重ねるのと並行して行う座学は、数々の事象の裏にある共通構造の効果的な理解を促してくれる。

そうこうするうちに、やがて個別の経験が抽象化され、「汎用性を帯びた知恵」へと転換される。

すなわち状況が変わっても急所を見抜けるようになる。この状態に至ると、安定して成果を出し続けられるようになる。