「なんとなく体調悪い」を軽く見てはいけない
具体的にどこが、とははっきり言えないのだけれど、なんとなく体調が悪い……そんな日がありますよね。こうした「なんとなく体調が悪い」という違和感を、軽視しないでいただきたいのです。
自分の体調に対する感覚は、健康を守る上で欠かせない判断材料です。“いつもと違う”という感覚は、体からのSOS、決して気のせいではありません。
入浴は体にとって、負担になることもあります。だからこそ、「今日は、止めておこう」と判断できることが、一番の事故予防になります。
特に、次のような症状があるときは、無理に入浴をしないでください。
・疲れが抜けず、体が重い
・体に力が入らない(脱力感がある)
・強い頭痛がある
・だるさがある
・めまいや吐き気がする
・息苦しさがある
・脈がとぶ、心拍が乱れる感覚がある
・胸が痛い、重苦しい
また、湯船に浸かっている最中に「おかしいな」と感じたら、迷わず湯船から出てください。入浴中の事故の多くは「少しおかしい」と感じながらも我慢してしまったことによって起こっていると思われます。
私たちに備わっている「違和感を察知する力」は、日々の健康を支える大切な感覚です。2~3日、湯船に浸からなくても体調をくずすようなことはありません。
「湯船から出るとき」が危ない
入浴中の事故や体調不良は、次のうち、いつが一番多いと思いますか?
A 浴室に入ったとき
B 体を洗っているとき
C 湯船に浸かっているとき
D 湯船から出るとき
湯船に浸かっているとき、と答える方が多いと思いますが、実際には入浴後の発症も多く、「D 湯船から出るとき」が多いと考えられます。
湯船の中では、温熱作用で血管が拡張しているものの、水圧によって血管がほどよく圧迫されています。ところが、急に立ち上がるとその圧力が一気に解放され、血管が拡張して血圧が急激に低下します。「起立性低血圧」と呼ばれる状態で、脳への血流が不足し、立ちくらみや意識消失、それにともなう転倒事故につながることがあります。
湯船から出る瞬間に起こる、この血圧の急激な変化は、「ヒートショック」と呼ばれる状態の1つです。
ヒートショックには、2つのタイプがあると私は考えています。

