人民元高を容認した中国
2月9日、米ブルームバーグが関係筋の話として、中国の政府が金融機関に対して米国債の保有を抑制するように勧告したと伝えた。この報道をきっかけにドル安が世界的に加速し、同日のユーロの対ドルレートは終値で1ユーロ=1.1904米ドルと、前日から0.65%ユーロ高となった。また対円でも、1米ドル=156.13円と0.72%の円高となった。
その実、中国籍の投資家の米国債離れは2022年頃より着実に進んでいる(図表1)。米財務省が発表する国際証券投資統計(TICデータ)によると、それまで1.5兆米ドル台だった中国籍の投資家が保有する米証券残高は、2025年末には1.1兆米ドル台まで圧縮された。資産別の内訳を確認すると、減少したのは国債であることが分かる。
市中の金融機関も米国債を保有しているわけだが、それ以上に、中国の財務省(財政部)が外貨準備として保有していた米国債を段階的に売却してきたことが、中国籍の投資家の米国債離れの動きの源流にあると考えられる。米国債を売り、そのマネーを本国に還流せせれば、米ドルを売り人民元を買う流れになるから、人民元高が促される。


