がんを予防するにはどんな工夫をするべきか。大阪公立大学病院がんセンター長の川口知哉教授は「食生活に注意したほうがいい。日々の食卓に上がっている食事のなかには、がんリスクを高める物とリスクを低減させるものがある。食べているものの違いによって、将来のがんリスクが変わる」という――。(第2回)

※本稿は、川口知哉『「がん活」のすすめ 科学と名言でつくる「がんを寄せつけない習慣」』(ブルーバックス)の一部を再編集したものです

バスケットに入った新鮮な果物や野菜
写真=iStock.com/Yaroslav Astakhov
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がんを遠ざける「野菜の成分」

私たちは毎日の食事によって体をつくっている。食べることは習慣であり、健康の基盤である。そして、がんを含む多くの病気は、日々の食生活と深く関わっている。

単一の食品というより、総摂取量・組み合わせ・調理法・食べる速度やタイミングまでが重なり合って、内臓脂肪、ホルモン、腸内細菌、炎症、酸化ストレスに変化を与えていく可能性がある。

その微差の蓄積が、将来のがんリスクの有意な差となって現れる。「食事」こそ、「がん活」で忘れてはならない実践項目だ。

そして、がんリスクを高める食事として「①加工肉と赤身」「②塩分」「糖分」があげられる。これらの食品を摂取することによって、大腸がんや胃がんなど、さまざまながんのリスクが高まることがわかっている。

がんリスクを抑える食事
①野菜と果物

これらの有害なプロセスに対して、抑制的に働くポテンシャルがあるものとして注目されているのが、野菜や果物に豊富に含まれる抗酸化物質である。

キャベツやブロッコリーに含まれるイソチオシアネートやスルフォラファンは、体内の解毒酵素(グルタチオンS‐トランスフェラーゼなど)を活性化し、発がん物質を速く代謝して体外に排出する働きを持つと考えられている。

また、玉ねぎやにんにくに含まれるアリシンは、炎症を抑える作用や、がん細胞の増殖を抑制すると期待されている。ベリー類の鮮やかな赤や紫のアントシアニン、緑黄色野菜のカロテノイドも、細胞の酸化ストレスを軽減し、DNA損傷の修復を助ける抗酸化ネットワークの一翼を担っていると考えられている。