右派左派共通のメンタル傾向

分析の結果を、図表1に示しました。参考までに左派市民についても同様の分析を行っています。

精神的健康は年齢によって異なるため、年齢層を3つに分けています。区分のしかたは「若年(20〜30代)」「中年(40〜50代)」「高年(60〜70代)」です。分析の結果、右派市民、左派市民の双方にうつ・不安障害の可能性がある人がやや多いことがわかりました。

若年層ではうつ・不安障害の可能性がある人は全体で27%、排外主義者だと32%です(左派の非‐伝統主義者も32%と多くなっています)。中年層ではうつ・不安障害の可能性がある人は全体で18%、排外主義者だと22%です(左派では、反‐排外主義者23%、親左主義者24%と多くなっています)。愛国主義者と精神的健康とのあいだには関連性はまったくありませんでした。

好悪感情の極端さが示唆すること

この結果はやや関連があるといった程度であり、「○○は精神的に病んでいる」といったようなレッテル貼りは厳に慎まなければなりません。

しかしながら、非‐伝統主義者以外は、国や政党に対する好き‐嫌いの感情にもとづくタイプであるとの共通性が見出せます。こうした“好き‐嫌いの感情の極端さは、多少なりとも精神的健康と結びついている”ことが示唆されたといえるでしょう。

繰り返しになりますが、因果関係の向きは一方向とは限りません。精神的に不安の強い人が極端な意見を持ちやすいということなのかもしれませんし、極端な意見を持っているがゆえに、精神的に不安になりやすいということなのかもしれません。そのメカニズムがどのようなものであるのか、専門的な研究が待たれるところです。