終了日翌日もコミケは続く
8月10日から12日の3日間で開催された、日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」が終了した翌日。コミケの日程に合わせて日本全国から東京にやってきた同人ファンが、秋葉原に集まっていました。「コミケ」の余韻にひたりながら飲食店やカラオケ店で打ち上げをする人たちもいますが、同人誌が販売されている同人ショップに開店前の早朝から行列をつくる人たちもいます。彼らはこの日を「コミケ4日目」と呼んでいます。
自費出版であり、商業流通では取り扱われない同人誌は、発行部数も数十から数百部と少ないので、人気作品はコミケ会場でも完売してしまうことがあります。そのため、午前10時に開場するコミケ会場前には、早朝5時くらいから大勢の待機列ができます。それでも買い損ねた同人誌は、秋葉原の同人ショップで委託販売がされていれば、入手することができます。今年の「コミケ4日目」は、パソコンで楽しむ人気ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」の関係者による同人誌が評判になり、それを求める数百人が待機列を作っていました。
秋葉原には、地元で1994年に創業した大手の「コミックとらのあな」、全国の店舗数では最大の「メロンブックス」など、同人ショップが集積しています。同人ショップはマニア向けの店舗であるため、冷やかしでは入りづらいと感じる方も多いかと思いますが、一度店内に飛び込んでみてください。意外と普通の書店のコミック売り場と変わらないと気がつくはずです。これは、同人誌には二次創作が多いので、版権者との関わりを考慮して、一番目立つ入口近くや1階には、版権者の利益に貢献するという意思表示で、商業誌を配置しているためです。マニアックな同人誌は奥の方か、別フロアにあります。
同人誌には、大別して「男性向け」と「女性向け」があります。同人ショップでは、「男性向け」か「女性向け」のどちらかだけを扱うか、両方扱っていても販売フロアが異なります。今回のコミケでも、初日は「女性向け」、2日目は「男性向け」と日程を変えていました。これは、男性と女性の同人誌に対する消費行動が大きく異なるからです。