※本稿は、岩田松雄『新版「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
優秀な経営者になれるのは「せっかち」な人
あなたはすぐにできることを後回しにして、時間がかかることを先にやり出していませんか。それよりも、やれることから、どんどん片づけていくほうがいいのです。
実はこれが、結果的には時間の短縮につながります。そして、仕事にも勢いがついて前に進んでいくことが多い。
時間と効率を意識しながらも、やれることは、すぐにやってしまうほうがいい。
経営者は行動にスピード感がある、などとよくいわれますが、それは、せっかちですぐにやってしまう人が多いからだと思います。
逆にいうと、スピード感のある人だけが経営者になれるといってもいいかもしれません。優秀な経営者で、気の長い人を私は見たことがありません。
よく担当者は、プロジェクトをキリの良い来月の1日から、あるいは来期から始めようとします。しかし、もし本当に良いことであれば、今からすぐやるべきです。良いことならなぜすぐ実行しないのか。これが経営者的な発想です。遅くとも、明日からやってほしいと思います。
やれることからすぐにやっていく。これが行動のスピード感につながっていくのだと思います。
立ち止まることが長期的な効率を生む
時間や効率が大切、すぐやるスピードも大切ですが、時には立ち止まることもリーダーにとって重要なことです。
1、2週間に一度は立ち止まって、改めて物事の優先順位や今やるべきこと、さらには将来について真剣に考えるべきだと思います。
リーダーはポジションが上がれば上がるほど、忙しくなっていきます。スケジュールは、部下との打ち合わせや来客などでどんどん埋まっていきます。気をつけなければいけないのは、こうした目の前のことだけで頭がいっぱいになってしまうことです。
時間と効率を意識し、すぐやるスピード感で物事をどんどんこなしていく一方で、立ち止まってじっくりいろいろなことを考える時間がほしい。そうすることが、長期的に、効率の良い正しい行動につながっていきます。
やる必要のないことを、時間をかけて、一所懸命やることほど無駄なことはありません。
それを避けるために、一度立ち止まるのです。

