加齢にともない倦怠感があったら何に気をつけるべきか。医師の石川英昭さんは「倦怠感の背後に、慢性腎臓病(CKD)が隠れている可能性がある。高齢者は、高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病が、さらに腎臓に負担をかける。ふらつきを感じたり、階段の昇り降りで息切れがするなど、貧血が見られたら一度CKDを疑うといい」という――。
※本稿は、石川英昭『幸せな老衰 医師が伝える叶えるための「3つの力」』(光文社)の一部を再編集したものです。
そのダルさ、隠れCKD(慢性腎臓病)が原因かも
加齢とともに疲れやすくなるのは、多くのお年寄りが感じる自然な変化です。
しかし、その倦怠感の背後に、慢性腎臓病(CKD)が隠れている可能性があることをご存じでしょうか?
この病気は初期にはほとんど自覚症状がなく、静かに進行していきます。特に高齢者に多く見られる病気であり、「幸せな老衰」を考える際に無視できない課題です。そこで私は「隠れCKD」と呼び、注意を促したいのです。
腎臓の機能は、老化で自然に低下しますが、高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病が、さらに腎臓に負担をかけます。これらの要因が重なることで、高齢者ではCKDが発症しやすくなるのです。
CKDは、腎臓の機能が徐々に低下し続ける病気です。進行すると腎不全となり、人工透析や腎移植などの腎代替療法が必要になる場合もあります。恐ろしいのは、腎臓は非常に健気で「我慢強い」臓器であるため、症状が出た時にはかなり進行していることが多い点です。
診断には採血と採尿が必要で、腎臓の働きを示す「クレアチニン値」や「eGFR」と呼ばれる数値を確認します。近年では健康診断でこれらの数値が表示されることが増えていますが、それでもまだCKDの認知度は低いのが現状です。

