年齢を重ねても元気に過ごすにはどうすればいいか。医師の石川英昭さんは「加齢に伴い起こる『視覚・聴覚・嗅覚』の機能の低下の裏には、病気が潜んでいる可能性がある。感覚器の機能低下は生活の質を損なうだけでなく、放置すれば認知症のリスクを高めることにもつながりかねない」という――。

※本稿は、石川英昭『幸せな老衰 医師が伝える叶えるための「3つの力」』(光文社)の一部を再編集したものです。

眼鏡を外して目を押さえる男性
写真=iStock.com/Jirapong Manustrong
※写真はイメージです

「なんとなくダルい」の背後に見逃せない病気

「老衰を加速させない」――これは本書でお伝えしたい重要な考え方の一つです。

歳を重ねる中で、不調や病気が現れるのは自然なことです。しかし、それを「歳だから仕方ない」となんでも放置してしまうと、老衰の進行を早め、生活の質(QOL)が損なわれる可能性があります。

一方で、身体や心の変化に早めに気づき、適切な対処をすることで、老衰のスピードをゆるやかにし、健康寿命を延ばすことができます。

たとえば、「目が見えにくくなってきた」「食が細くなった」「なんとなくダルい」――こうした変化は、確かに加齢によるものと考えられることが多いでしょう。

しかし、それだけで片づけてしまうのは危険です。これらの症状の背後には、見逃せない病気や、治療によって改善が期待できる不調が潜んでいる可能性があるからです。

目のかすみは白内障の兆候かもしれません。食欲の低下は、歯や口腔の問題、あるいは消化器系の疾患に関連している場合があります。また、ダルさの原因としては、貧血などの病気が隠れていることも考えられます。