健康長寿に必要な習慣は何か。医師の石川英昭さんは「高齢者に運動習慣は欠かせないが、お勧めは無理のない範囲で毎日歩くことだ。1日8時間以上座っていると、死亡リスクが増加するという報告もあり、筋肉量が減るだけでなく、骨の丈夫さも損なわれてしまう」という――。
※本稿は、石川英昭『幸せな老衰 医師が伝える叶えるための「3つの力」』(光文社)の一部を再編集したものです。
散歩は認知症予防にも有効
毎日適度に身体を動かすことは、先に挙げたフレイル対策として非常に重要です。多くの方が、医師から「運動をしてください」と言われていることでしょう。
筋力を強化するためには、ある程度、負荷のかかるトレーニングが理想的ですが、運動習慣がない高齢者にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれません。そこで、まずは少しでも身体活動を伴う作業を、日常の習慣に組み込むことをお勧めします。
先にお伝えした、朝食を摂ることもその一つです。準備や後片づけの際に自然と身体を使うからです。
食事の後には、近所を散歩しましょう。毎回コースを少し変えたり、目的地を決めて往復したりすることで、楽しく習慣化できるはずです。こうした毎日を過ごすだけでも、筋力の維持に役立つのです。
坂道を登ったり、歩くペースを少し早めたりすることで、心拍数が上昇し、より多くの血液が身体をめぐることになります。息切れしないようにしっかり呼吸することも大切です。つまり、散歩は心肺機能の維持にもプラスなのです。
さらに、自然に触れながら歩くことは、精神的にもよい影響があります。リラックスやリフレッシュにつながり、うつ症状の予防にもなります。
最近の研究では、散歩が認知症予防にとても有効であることが明らかになっています。
お金もほとんどかからず、健康長寿にさまざまなよい効果が期待できる毎日の散歩。よく「1日1万歩!」という話を聞きますが、歩数にはあまりこだわらなくて大丈夫です。ご自身の健康状態に応じて、無理のない範囲で毎日歩くことを心がけましょう。

