元気に老いるには何をするといいか。医師の石川英昭さんは「高齢者の心の健康は『自己効力感』に左右され、これは見た目を気遣うことで高めることができる。高齢者への美容プログラムが自己認識やうつ症状の改善に有効であったという研究もある」という――。

※本稿は、石川英昭『幸せな老衰 医師が伝える叶えるための「3つの力」』(光文社)の一部を再編集したものです。

公園でジョギングするお年寄り
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

高齢者にとって心の健康を左右する2つの態度

顔などの皮膚にシワが増え、髪の毛が抜ける。見た目の老いは、気分を滅入らせる要因となります。私も毎朝、鏡に映る自分を眺めては、あれこれ考えてしまいます(笑)。

「歳だから仕方ない」「もう外見なんて、どうでもよい」と思う一方で、「歳だけど、ちゃんと手入れしよう」「身だしなみにも気を配ろう」と思うこともあるでしょう。実は、この2つの態度は、高齢者にとって心の健康を左右することもあるようです。

老年期は肉体の衰えによって元気が失われがちで、「どんどんできないことが増えてきた。もう自分はダメなんだ」と自分自身を否定してしまいがちです。これは「自己評価が低い」あるいは「自己肯定感が低い」状態といえます。

対して、「昔のようにはいかないけど、大丈夫。自分はまだまだやれる」という姿勢は、「自己効力感が高い」と評価されます。自己効力感が高い高齢者は、ストレスに対する耐性があり、うつ症状を発症しにくく、痛みに対する適応力も高いという報告があります。

健康長寿のために、どうすれば自己効力感を高められるのか。これは立派な研究テーマなのです。

仕事を長く続けることは、自分の役割を認識する作業ともいえます。他人と一緒に趣味などの活動に参加することも、同年代の仲間が元気にやっているのを見ることで、「自分にもできる」と感じるきっかけになります。やはり、誰かと関わることは、自己効力感を高める効果がありそうです。