人生を切り拓くには、さまざまなフィールドの知識をもっていることが武器になる。原点を復習するバイブルから最先端を学べる解説書まで。5人のプロフェッショナルが「思考の軸」を創るきっかけを解説する――。
『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方』『経営の力と伴走支援』『ミネルバ式 最先端リーダーシップ』の表紙
撮影=増田岳二

人間・社会・組織を根源的に理解する10冊

リーダーシップは、人に対する影響力と、課題設定・解決や業務推進という「コト」への影響力の二つの面から語られがちです。

しかし、課題を生むのも解決するのも人である以上、この二つは別物ではなく一体です。だからこそ、リーダーには「人間とは何か」「社会とは何か」「組織とは何か」という根源的な理解が欠かせません。

今回の10冊は、このような考えのもと、現代のリーダーが自分固有の社会観、歴史観、人間観、そして組織観を磨くのに貢献する本を選びました。

篠田 真貴子(しのだ・まきこ)慶應義塾大学経済学部卒、日本長期信用銀行に入行。ペンシルベニア大学ウォートン校にてMBA、ジョンズ・ホプキンス大学にて国際関係論の修士学位取得。マッキンゼー、ノバルティス、ほぼ日などを経て、2020年よりエール取締役。
篠田 真貴子(しのだ・まきこ)
慶應義塾大学経済学部卒、日本長期信用銀行に入行。ペンシルベニア大学ウォートン校にてMBA、ジョンズ・ホプキンス大学にて国際関係論の修士学位取得。マッキンゼー、ノバルティス、ほぼ日などを経て、2020年よりエール取締役。

課題が複雑化し、正解がなく、環境変化が速い時代において、複雑なものをいたずらに単純化せず複雑なまま扱う思考法と、素朴ではない深い人間理解・組織理解を学ぶ必要があります。『ミネルバ式……』と『アオアシに学ぶ……』は、まさにその出発点です。

さらに、自己、他者、組織の挙動を深く理解することを助けるため、「聴く」「関係性」「失敗」といったテーマを軸に、現場の実務に生きる視点を扱う書籍を選びました。

リーダーシップは生まれ持つ資質ではなく、学び鍛えられるスキルです。自分と他者、組織と社会、その相互作用をどう捉えるか――。この10冊が、その思考の回路を磨くための道しるべになることを願っています。

角野然生『経営の力と伴走支援』(光文社新書)
角野然生『経営の力と伴走支援』(光文社新書)

中小企業経営者への伴走支援の実践から見えた、経営の本質。知識や手法以前の、経営者本人の「意思」と「意欲」に着目し、それが傾聴と対話によって育まれることを真正面から説いている。

黒川公晴『ミネルバ式 最先端リーダーシップ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
黒川公晴『ミネルバ式 最先端リーダーシップ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

システム思考とEQを入り口に、複雑な環境に対応する18の思考習慣を体系化。世にあるフレームワークの使う順序と場面、その意味まで踏み込んだリーダーの「使える知」が詰まった一冊。

櫻井 将『まず、ちゃんと聴く。』(日本能率協会マネジメントセンター)
櫻井 将『まず、ちゃんと聴く。』(日本能率協会マネジメントセンター)

「聴く」をあり方、コンディション、スキルの組み合わせとして捉え直す。ただ聴くだけでなく「まず、ちゃんと聴く」ことの重要性を説き、その後のフィードバックの仕方まで明示した実務的な一冊。

勅使川原真衣『働くということ』(集英社新書)
勅使川原真衣『働くということ』(集英社新書)

能力を個人の固有財産と見る能力主義の限界を問う。仕事は必ず他者との間で行われるもので、能力も関係性の中でこそ発揮される。人間観を問い直すことで、リーダーのまなざしが変わる。

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