自民党の総裁選と共に注目が集まっているのが、次期政権での連立拡大だ。ジャーナリストの尾中香尚里さんは「総裁選のどの候補も連立拡大には意欲的で、国民民主党も、日本維新の会も『連立入り』への色気をもはや隠していない。その中でも、支持母体や選挙協力のしやすさを考えれば、おのずと『本命』は見えてくる」という――。
日本維新の会 吉村洋文代表、国民民主党 玉木雄一郎代表
左=日本維新の会 吉村洋文代表(写真=Noukei314/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)、右=国民民主党 玉木雄一郎代表(写真=Noukei314/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

総裁選で焦点化する「連立拡大」

22日に告示された自民党総裁選は「野党との連携」が大きな焦点の一つだ。わずか1年前の前回総裁選とは異なり、現在の自民党は衆参ともに少数与党。野党の協力なしには政権運営がおぼつかないとあって、メディアの側も、やれ「政策ごとの連携」か「連立拡大」か、と騒がしい。

秋波を送られる側の野党の中で、良くも悪くも注目されているのが国民民主党だ。7月の参院選で17議席を獲得し、改選議席の4倍を超える躍進を果たした同党。選挙後も支持率は高めに推移しており、総裁選では同党を名指しして「連立の枠組み拡大」に言及する候補者もいる。玉木雄一郎代表ら幹部の言動も、どことなく浮かれてみえる。

しかし筆者は、その自民党総裁選が、この党をかえって難しい状況に追い込むきっかけとなるのではないか、と思えてならない。総裁選で「野党との向き合い方」に焦点が当たれば、当然ながら野党の側も、好むと好まざるとにかかわらず「自民党との向き合い方」を問われ続けるからだ。

国民民主党の政権戦略は、与党の補完勢力として連立入りし「ゆ党」から「よ党」に転じることなのか。それとも自民党から政権を奪うため、野党(小さい野党なので「ゃ党」)の一員として行動することなのか。どちらを選んでも党の勢いは削がれかねず、国民民主党の党運営は、むしろ厳しさを増しているように思えてならない。