食事は脳、ひいては仕事のパフォーマンスに大きな影響がある。筋肉の専門家であり、複数の会社を経営するバズーカ岡田氏に「パフォーマンスを高める最強の食事術」を聞いた。

トップアスリートほど「何を食べるか」を重視

私は「筋トレ(身体作り)を社会実装する」というミッションのもと、様々な活動をしています。日本体育大学で教授を務めるほか、トレーニングジムの経営やサプリメントのプロデュースなど、社長として2社を経営し、取締役として1社の経営に携わっています。

それだけ多忙な日々なので毎日のタイムマネジメントは徹底しているのですが、それを実現するために最も大切にしていることの一つが「食事」です。

私自身、ボディビルダーとして自らの肉体を極限まで追求する一方、オリンピックの柔道日本代表チームなどでトップアスリートの身体作りを指導してきました。その経験から断言できるのは、彼らが「何を食べるかによって、その後のパフォーマンスが劇的に変わる」という事実を、誰よりも深く理解し、管理しているということです。

例えば、オリンピック当日の朝に、今まで一度も食べたことのないものを口にする選手はいません。それは、「これを食べたら自分の身体がどう反応するかわからない」という、食べたものとパフォーマンスの間に存在する因果関係を、知識と経験則で理解しているからです。不確実性を一つでも多く排除し、最高の結果を出すための再現性を極限まで高める。これこそが、トッププロフェッショナルの思考です。

この思考は、一日中脳を酷使するビジネスパーソンにも全く同じことが言えます。食事と脳は密接に関係しており、食べたものが思考能力や判断力、集中力を左右します。この事実を認識し、自らの食事を適切に管理・実践しなければ、自分のパフォーマンスを最大化することはできません。

ここで理解すべきなのは、同じエネルギー量であっても、その源となる栄養素によって身体に与える影響が全く異なるという点です。

主なエネルギー源として、三大栄養素である「タンパク質(Protein)」「脂質(Fat)」「炭水化物(Carbohydrate)」が挙げられます。その摂取バランスは、それぞれの頭文字を取って「PFCバランス」と呼ばれます。パフォーマンス向上のためには、このPFCバランスを意識することが非常に大切です。

まずは、一日の総摂取エネルギー(カロリー)に対してP(タンパク質)=13〜20%、F(脂質)=20〜30%、C(炭水化物)=50〜65%を目指すことから始めましょう。最初はどの食材にどの栄養素がどれだけ含まれているかわからなくても問題ありません。商品のパッケージ裏の栄養成分表示をチェックする、肉や野菜などの食材単体のPFCはネットで検索することなどから始めましょう。

どんな栄養素でも食べすぎには注意が必要です。特に、加工肉などに多い飽和脂肪酸の摂りすぎは脳の認知機能を下げる可能性があり、糖質の摂りすぎはだるさや眠気を引き起こします。

そのときの状態にもよりますが、この食事の「適量」には個人差があります。私はおにぎり2つまでは問題ありませんが、3つ食べると途端にパフォーマンスが落ちます。ぜひ、ご自身の身体で実験してみてください。食べた後に感じる活力や脳のキレを点数化して記録し、自分にとっての「最高のPFCバランス」を見つけ出しましょう。

(構成=島津健吾)