就職活動の情報源として欠かせないのが求人票だ。採用マーケティングサービスを提供するダトラ社長の草深悠介さんは「社内の雰囲気や教育制度、会社の将来ビジョンのアピールポイントを具体的に書いている企業が求職者に選ばれる。一方、求人票に書いてはいけないルールを守っているかどうかもチェックしたほうがいい」という――。

※本稿は、草深悠介『採用マーケティングの教科書』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

人材採用のイメージ
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いまの求人票は「普通」ではダメ

インターネットの登場によって、採用マーケットは検索エンジンや求人メディアを活用する時代へと移行し、求人票は企業サイトに掲載されるようになりました。そして求人票とは単なる情報の掲載表ではなく、各種の工夫によって求職者の注意を惹きつける「採用サイト」へと進化していきました。収録する内容も動画やアニメーションなど、各企業で差別化の工夫が始まったのです。

それでは、求人票にはどのような工夫が求められるのでしょうか。

企業の採用サイトを閲覧する求職者の関心は「どのような人物と一緒に働けるのか」「その企業の強みや魅力は何か」「その会社の働き方が求人票からイメージできるか」の3つです。無味乾燥な求人票ではなく、心動かす求人原稿に仕立てることが何より重要です。以下、それぞれポイントをまとめます。

企業と人材のマッチング率を高める方法

1 求める人物像を明確にし、アピールする

採用を成功させるためには、これまでのキャリアや仕事へのモチベーションなど、求職者に自社の求める人物像をアピールする必要があります。求める人物像を明確にし、求人票に具体的に記載することによって、求める人物からの応募を増やすばかりでなく、求める人物以外からの応募を抑えることも可能になります。

さらに、「第一種運転免許」「TOEIC700点以上」など、自社で働くために応募者に最低限備えていてほしい要件(MUST要件)も絞り込んでおく必要があります。

《求める人物像を明確にするコツ》
○どのようなスキル、経験が必要か(資格、能力、経験)
○どのような人物が望ましいか(人柄、性格)
○どのような仕事をしてほしいか(仕事内容)
○自社で働くために最低限備えていてほしい要件を絞り込んでおく(MUST要件)