※本稿は、近藤悦康『増補改訂版 日本一学生が集まる中小企業の秘密』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
採用活動における5つの役割
ところで採用活動は1人ではできません。それは五つの役割があるためです。その役割とは、「採用担当者」「リクルーター」「オペレーター」「アセッサー」「クローザー」です。これらは兼任することもありますから、必ずしも5人必要ということではありませんが、それぞれに重要な役割があります。
「採用担当者」は、採用プロジェクトにおける責任者であり、採用活動の窓口となります。学生とあらゆる場面でコミュニケーションをとる役割です。この重要な役割には経営陣が最も信頼を寄せている人材を抜擢してください。会社が好きで経営者を尊敬している人材です。そして、他人に肯定的な影響力を与えられる人を置いてください。
「リクルーター」は選考活動において、応募者とコミュニケーションをとり、会社の魅力を伝えたり応募者の疑問や不安を解消したりする役割を持ちます。新卒入社した若手のエースや、中途入社で活躍している若手社員をアサイン(割り当て)できると最適です。年齢でいうと25歳から35歳が理想的です。
人としての魅力に磨きをかける
「オペレーター」は、履歴書管理やメール対応、備品の発送手配や学生情報の登録など、採用に関する事務的な業務の全般を担当します。採用担当者のアシスタント的な存在ですので、着実に仕事をこなしていくタイプが向いています。
「アセッサー」は、応募者を採用するかどうかの意思決定を行う面接官や選考の試験官の役割です。現場の責任者クラスで、採用後に責任を持って人材を育成する立場にある人を割り当てます。年齢というよりは役職で選んでください。
そして最後の「クローザー」は、複数の就職先を候補にしている応募者に、自社が選ばれるように魅力づけを行う役割です。経営者自身や役員クラスがこの役割を担います。
企業の規模によっては、これらの役割を少人数で兼務し合うこともあります。
このように採用活動はチームプレーで行われますが、応募者にとってはいずれの担当者も魅力的な先輩でなければ入社動機が高まりません。そのため、いずれの担当者も、人としての魅力に磨きをかけておくことを怠ってはなりません。

