将棋の「電王戦」が思い出される。決められたルールのなかで、大量のデータから正解を導き出す場合には、もう人間はコンピュータにかなわない。

「第2回電王戦」の様子。最終局に出た「GPS将棋」は1秒に2億7000万手を読む。

先の実証実験では「勝負」もしている。流通が専門のコンサルタントらに、客単価向上の施策を検討させ、並行して実験した。彼らは従業員に売れ筋商品などの聞き取り調査を行い、「LED電球を売り出す」といった作戦を実行した。だが結果的には、客単価は向上しなかった。矢野さんはいう。

「結局、データを扱うのはコンピュータの仕事。そういう発想の転換をしてから成果が出るようになった。コンピュータは『これが業績を決めている』という人間の思い込みから、はみ出した仮説をつくることができる。人間がやるべきことは、客単価や売り上げといった『業績のアウトカム』を決めること。そしてコンピュータの出した仮説をアクションに繋げることです」

【次世代勤怠管理システム】日立製作所
・名札型端末で、誰と誰が、いつ、何分話したかなどを計測
・売り上げに関連する6000以上の指標を自動生成
・実験では客単価が15%向上。コンサルの実績を上回る
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