本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年9月11日レター)

――楽天証券ホールディングスが東京証券取引所に上場申請をしました。上場による調達額は1000億円規模とのことで、グループの財務改善に効果が見込まれています。一方で、楽天グループの上場子会社は楽天銀行に続き2社目となり、親子上場のガバナンスを懸念する見方もあるようです。堀さんはどのように見ていますか。

【堀】楽天銀行に続いて楽天証券が無事に上場できる見込みとなり、おめでとうございます。三木谷浩史会長兼社長はハーバード大学経営大学院の後輩ですので、お祝いを言いたいのですが、ここでちょっと立ち止まって、そもそも上場とは何かを考えてみましょう。上場とは、これまで100%持っていたものから自分の持ち分を減らし、他人に切り売りして現金を得ること。つまり株式を放出し、そこで集めたお金で次の有望な事業を始めるべきものです。

(構成=今井道子)