本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年7月24日レター)

――日本取引所グループ(JPX)が、プライムとスタンダードの2市場に上場する約3300社に対して、「取締役会でPBR(株価純資産倍率)を分析して改善策を開示すること」を求め、PBRが1倍を下回る上場企業などに早期の対応を要請しました。PBR1倍割れの企業は、プライム、スタンダードの2市場で約1800社が該当するとのこと。なぜ、日本では海外に比べて低PBRの企業が多いのでしょうか。経営の視点から教えてください。

【堀】PBRとは「Price Book-value Ratio」のことを言います。計算式は「株価/1株当たり純資産」で、株価が、1株当たり純資産の何倍と評価されているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。ですから、PBRの数値が1倍より低い株式は割安と言えるわけです。

(構成=今井道子)