確定申告といわれても、会社員の多くは「自分には関係がない」と思っているのではないだろうか。

会社員は、毎月の給与の中から所得税が徴収されている。これが「源泉徴収」である。日本で源泉徴収制度がスタートとしたのは、1899(明治32)年である。当初対象になったのは利子所得のみで、勤労所得も対象となったのは、太平洋戦争の前年、1940(昭和15)年で、戦費調達のためにドイツに倣ったといわれている。

源泉徴収は、企業が従業員の所得税を計算して給与やボーナスから天引きし、従業員に代わって納税するものだ。国にとってはとりっぱぐれがなく、このうえない制度といえる。企業は税額の計算、管理、納税の手間がかかり、事務負担は大きい。実は、40年の導入後には徴収代行手数料として、従業員1人当たり50銭が交付されていたという。