自民党から公明党を切る選択肢はない

【山口】公明党議員の自民党化とは、興味深い見解ですね。確かに、戦後の日本政治を瞥見べっけんすると、自民党と組んだ政党は“養分”を吸われたかのように力を失っています。新自由クラブしかり、新党さきがけしかり、社会党しかり……。

ただ、公明党は遠山さんの例はあるにせよ、理念がしっかりしていますから、佐藤さんが「(遠山さんに公明党が)怒り心頭に発している」と言われたように、どこかで一線は守ると思います。また先ほど佐藤さんが指摘されたとおり、「防衛装備移転三原則」の改定に際し、岸田政権に歯止めをかけました。

自民党からすれば、公明党への不満が溜まっているかもしれません。ところが選挙を考えたら、自民党のほうから公明党を切るという選択肢は今のところはないでしょう。

公明党は再び“使い捨て”にされるのか

本書で佐藤さんが、維新の会と公明党との対決姿勢を述べられましたね。その前段にあるのは2023年の大阪市議会議員選挙です(4月9日投開票)。この選挙で大阪維新の会(維新の会の大阪府総支部)は過半数(46議席)を獲得するや、以後の公明党との選挙協力関係を解消します。

維新の会の馬場さんは「今、公明党さんに何かの協力をお願いする状況下にはない」とまで言い放ちました。これでは、公明党は“使い捨て”です。

大阪で起きていることが、今後の自公政権のひとつの雛形になるかもしれません。次期衆院選は、その試金石でしょう。

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