7月4日に投開票された東京都議会選挙で、公明党は候補者全員が当選を果たした。『宗教問題』編集長の小川寛大さんは「公明党は候補者を確実に当選させる力をもっているが、それを今後も続けられるとは限らない。なぜなら支持団体である創価学会の『宗教パワー』が衰えているからだ」という――。
都政関係者の「公明党が悪い」という声
「公明党の動きは怪しいよ。何か証拠があるわけじゃないけど」
7月4日投票の東京都議会議員選挙が終わった後、ある自民党都連関係者は静かな怒気を見せながら、そんな感想を漏らした。
今回の都議選に関しては、多くの政界関係者が「勝者なき戦いだった」と総括する。なるほど、都議会の定数127に対し、主要各党の獲得議席数は自民33、都民ファーストの会31、公明党23、共産党19、立憲民主党15といったところ。
まるで、どんぐりの背比べのような拮抗状態だ。選挙協力をした自民+公明や、共産+立憲といった野党連合の構図を考えても、都議会の過半数を確保できる勢力は存在しない。
今後の都政が混迷の度を深めるだろうことは必至だ。
一方で選挙前、政界周辺では小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファースト(都ファ)の壊滅的敗北と、自公勢力による過半数確保という観測が広がっていた。実際、多くの政治ジャーナリストや選挙ウオッチャーは、今回の都議選結果に関し事前の予想を外している。
そしてその目算ミスの中心は、「都ファが意外に負けなかった」ことと、「自民があまり伸びなかった」ことを予測できなかった点にある。その原因が何だったのかに関しては、現在各所でさまざまな分析が行われている。
ただ冒頭にあげたように、一部都政関係者の間から「公明党が悪い」という声が出てきている事実があるのだ。