素晴らしい記述力が身につく思考問題

私の教室では十数年前から、アメリカやイギリスの母国語教育を手本に、読書と作文、哲学、アートを用いた新しい国語教育を実践してきました。このドリルには、教室生たちがアート鑑賞を楽しみながら「非認知能力」と「新学力」をぐんぐん伸ばし、素晴らしい記述力を手に入れてきたユニークな思考問題がつめこまれています。

久松由理『10歳からの考える力を伸ばす 名画で学ぶ作文ドリル』(かんき出版)

計算や暗記の勉強ばかりしてきた人にとっては、慣れるまでちょっとむずかしく感じるドリルでしょう。一方、想像力豊かでクリエイティブな人にとっては、時間を忘れて夢中になれるドリルだと思います。

このドリルに挑戦すると、自分のお子さんが、あるいはみなさんご自身が、新時代の学力観にアップデートできているかどうかがはっきりとわかります。目先の偏差値や順位に一喜一憂する古い学力観を捨て去り、輝かしい未来を創る新しい時代の学びに全力でかじを切っていただく、本書がそのきっかけとなれば幸いです。

次のページ以降で、入門編のドリルの一例を紹介いたします。ぜひお子様とご一緒に取り組んでみてください。

問題をくときの注意点

1.書かれていることをきちんと読むこと
解説かいせつや問題文をきちんと読まず、さっと作文問題だけを解いてしまうと、このドリルで身につけてほしい教養きょうようや、文章を読む力が育ちません。書かれていることをすみずみまで読んでから問題にとりかかりましょう。

2.自分で答えを書く前に、作文れいを見ないこと
先に作文例を見ると、どうしてもその答えを真似まねしたり、意識いしきしたりします。自分なりの作文が書けるまでじっくり考え、発想力や創造性そうぞうせいばしましょう。


作文問題には、「これが正解!」という決まった答えがありません。そのためこのドリルでは、私の教え子が実際に書いた作文などを一例として載せています。お子さんが名画からどんなことを感じ、なにを考えたのかを言葉にできるよう、作文例を参考に導いてあげてください。