わが子の「非認知能力」を伸ばすには、どうすればいいのか。イデア国語教室を主宰する久松由理さんは「私の教室では十数年前から、アメリカやイギリスの母国語教育を手本に、読書と作文、アートや哲学を使った観察作文を実践しています。これをやれば、非認知能力をぐんぐん伸ばすことができます」という――。

※本稿は久松由理『10歳からの考える力を伸ばす 名画で学ぶ作文ドリル』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

笑顔でドリルを解く女の子
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AIに勝てる「人間ならではの能力」とは何か

これまで日本の学校や進学塾では、知識を暗記する力や、解き方の定まった問題を効率的に解く力に長けた子を「優秀」と評価してきました。でも、こうした力は、もう人間がどう頑張ってもAI(人工知能)にかないません。これからは、AIに真似のできない、人間ならではの能力にみがきをかけた子が「優秀」と評される時代になるのです。

AIがどんなに発展してもカバーできない人間ならではの能力とは、共感力、想像力、創造性、コミュニケーション力、学ぶ意欲、人間性などの「非認知能力」とよばれる力。

これらの力は、私たちが豊かで幸せな人生を築くために欠かせない力として、世界で注目されています。日本でも近年、総合型選抜入試など「非認知能力」を含めて総合的に人物を評価する新しいスタイルの大学入試枠が急増し、重要視されるようになりました。

また、人々の価値観や社会システムが目まぐるしく変化する予測不能なこれからの時代を生きるには、「答えのない問いを考え抜く思考力」や「未知の状況に対処する判断力」、「自分の価値を言語化する表現力」といった「新学力」も、しっかり身につけておく必要があるでしょう。