例題:絵の中で起きていることを作文で書いてみよう
まずは、作文を上手に書くための基本、「一文作文」の練習からはじめましょう。
見たことを言葉で正しく表現するのは、案外むずかしいもの。ですから、作文を書く前には「書きたい物事」をじっくり観察することが大切です!
観察するのは、100以上のことわざが描写された「ネーデルラントの諺」という絵画。この絵を描いたピーテル・ブリューゲル(父)は、事実を見たままに表現することが追求されたルネサンス期(※注)に、感情豊かな民衆の生活を描き「農民画家」ともよばれました。
注:ルネサンスは、教会(神)よりも人間を尊重した古代ギリシアやローマの文化を復活させようという運動で、14世紀のイタリアにはじまり、16世紀まで西ヨーロッパ各地に広がりました。
絵の中には、いろいろなことをしている人がいますね。この絵の中で起きていることをよく見て、5W1Hで作文してみましょう。5W1Hとは、次の6つです。
5W1Hとは…
WHEN(いつ)
WHERE(どこで)
WHO(だれが)
WHY(なぜ、なんのために)
HOW(どんなふうに)
WHAT(なにをした)
では、絵の中央の(例)の近く「ブタに囲まれた男の人」をよく見てください。この男性がしていることを、5W1Hで作文してみましょう。
こんなふうに、見たことを言葉にして5W1Hの順に並べると、きれいな一文になります。
この男性が表しているのは「ブタの前にバラをまく」というネーデルラントのことわざ。ブタはバラの値うちを知らないから、あげても意味がない。つまり「価値のわからない者には、どんな貴重なものも役に立たない」ということです。