本当に自由な生き方とは何か。経済ジャーナリストの森永卓郎さんは「私がいま『言いたい放題』『書きたい放題』やっても、暗殺者から見逃されているのは、おそらく私ががん患者で『もうすぐ死ぬ』という最強のカードを持っているからだ。余命宣告を受け、完全なる自由を獲得した私に果たせることは、まだまだ残されている」という――。

※本稿は、森永卓郎『身辺整理 死ぬまでにやること』(興陽館)の一部を再編集したものです。

夕日を見る人
写真=iStock.com/kimberrywood
※写真はイメージです

もうすぐ死ぬから「言いたい放題」「書きたい放題」で生きる

私は65歳になり公的年金を受給することにした。これですべての仕事を失っても食うには困らないという状況を迎え、私の自由は第二ステージに突入し、「完全にはみ出す」ことを厭わなくなった。

そうして書き始めたのが、『ザイム真理教』であり、『書いてはいけない』だったのだ。

そして今、私はがんになったことで、自由の第三ステージを迎えている。余命宣告を受けていることを公表する前に『書いてはいけない』を出版していたら、私は逮捕されていたか、最悪、暗殺されていたかもしれない。

事実、テレビメディアの世界からは抹殺されたが、暗殺者から見逃されているのは、おそらく私が「もうすぐ死ぬ」という最強のカードを持っているからだ。

放っておいても死ぬ人間をわざわざリスクを冒してまで殺す必要はないと誰もが思うだろう。

かくして私は「言いたい放題」「書きたい放題」という完全なる自由を獲得している。ただ国民を扇動しようという気はない。真実を知った人が何を感じ、どんな行動に出るのかは、それこそ自由なのだ。私は一般庶民が知りようのなかったことを明るみに出して、人々に判断材料を提供しているに過ぎない。