「グルーミング」は「幼い少年」から

groomは、元は「幼い少年」の意味で、grow(成長する)と同語源であると思われる。

また、groomは、19世紀に入ってから、「馬の世話をする男性の使用人」の意味で使われるようになると、やがて動詞として「(馬に)ブラシをかける」や「(動物の)毛づくろいをする」という意味で使われるようになった。

名詞形はgrooming(グルーミング)となる。

印欧祖語のbhreuはラテン語では、bはfの発音に変化し、ferment(発酵する)、fervent(熱烈な、燃え盛る)、fervor(熱情)、fervid(熱烈な)などの英単語を作り出している。

ハチミツ酒を愛飲していたギリシャ人

meadという単語はゲルマン祖語のmeduz、さらには印欧祖語で「ハチミツ」や「甘い飲み物」という意味のmedhuにさかのぼることができる。

medhuが基になる単語は、ゲルマン語派の国々だけでなく、ケルト語派やスラブ語派の国々、さらにギリシャ語、リトアニア語、サンスクリット語、ヒンディー語などにも見られることから、古代から様々な国々で愛飲されていたことがわかる。

ギリシャ神話に登場する神々は不老不死の酒を飲んでいたために永久に死ぬことはなかったと信じられ、古代ギリシャ人はハチミツ酒をネクター(nectar)と呼んで愛飲していた。

現在でもバルト三国の一つであるリトアニアでは、ハチミツ酒は国家遺産に登録されているほど国民に愛されているものである。

ちなみに、某食品メーカーの商標ともなった「ネクター(nectar)」は「nec(死)+tar(超える)」が語源で、tarは印欧祖語で「通る」「超える」という意味のtereにさかのぼる。

写真=iStock.com/Alter_photo
ハチミツ酒を愛飲していたギリシャ人(※写真はイメージです)