「ハイボール」は和製英語ではない

ちなみに、「角ハイ」といえば、サントリーのウイスキー角瓶のハイボールのことだが、「ハイボール(highball)」は何となく和製英語っぽく思える。

だが、これはれっきとしたアメリカ英語で、ウイスキーやバーボンなどアルコール度数の高い酒をソーダ水で割った飲み物だ。

ハイボール
写真=iStock.com/bhofack2
※写真はイメージです

かつて、米国の鉄道の線路脇にはball signal(ボールシグナル)という信号機が設置されていた。

信号機のポールに取り付けられた球体は手動で上下するが上にある時、つまりhighball signalの状態の時に列車は速度を緩めずに通過できることを知らせる合図であった。

「サントリー」は創業者の名前から

この通過時に、食堂車(dining car)でバーボンウイスキーのソーダ割が縦長のグラス(tall glass)に入れて客に出されていたことに由来するという。

ハイボールの語源については諸説あるが、筆者が調べた限り、この説が最も有力であると確信している。

「サントリー(Suntory)」という社名は、英語っぽく聞こえるが、同社のホームページによると、「赤玉ポートワイン」の「赤玉(太陽)=サン」と「創業者の鳥井=トリー」が結びつき、「サントリー」となったそうだ。

英語では語尾のory(ary/ery)は「場所」を表す名詞を作り、factory(工場)、winery(ワイナリー)、bakery(パン屋)、library(図書館)などはお馴染みの単語である。

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