数字は急に上げられるものではない
【川村】いえいえ。僕から見ると、むしろ危機感が足りないのは「今週の数字はどう」って聞く、山口さんのほうだと感じますけど。
【山口】えっ、どういうことでしょう? マネジャーは数字の把握をしなくてもいいと言うんですか?
【川村】いやいや、数字の把握も、行動管理も、とっても大事な仕事ですよ。
【山口】だったら、なにがいけないんですか?
【川村】はい。仮に数字の把握と行動管理が仕事だとしたら、今週の数字をその週の半ばに聞くってどうなんですかね?
【山口】えっ、なにが問題なんですか。
【川村】そんなに急に数字って上げられます? 山口さんの会社では、そんなに簡単に上がるものなんですか?
【山口】いえ、簡単ではありませんけど……。
【川村】僕の経験からすると、仲のいいお客さんのところに行ってお願いセールスするくらいしかないと思うんですが。
【山口】……。
言うべきは「来月の数字はどうなってる?」
【川村】だったら、苦しんでいるメンバーに、こう言ってあげたらどうですかね。「きっと、そうだろうと思ってたよ。ちょっと前からしんどそうだったよね。もう今月はあきらめようか。今週、来週の数字は頑張らなくていいよ」って。そしたら、メンバーはどう感じると思いますか?
【山口】いえ、言ったことがないので、わかりません……。
【川村】もちろん、メンバーも、今週、来週ただ遊んでいていいって話ではないことくらい、わかりますよね。
【山口】はあ……。
【川村】そこまで言ってあげると、メンバー自ら「今月は足を引っ張ってすみません。でも、来月のスタートダッシュは見ててください。今週、来週でしっかり仕込みますから!」と、前向きになってくれますけどね。
【山口】……。
【川村】だから、山口さんが言うべきことはこうなんです。「来月の数字はどうなってる?」