「ヒバリ型」か「フクロウ型」かは遺伝子で決まる

自分が朝型か夜型かを知るためには、次の質問票により調べることができます。

ミュンヘンクロノタイプ質問紙――日本語版

実際、朝型・夜型のクロノタイプは300ほどの遺伝子の組み合わせで決まるので、努力によってショートスリーパーになれる見込みは少なそうです。

朝型のいわゆる「ヒバリ型」は午前中にもっともパフォーマンスが高まるタイプであるのに対し、夜型の「フクロウ型」は起床が遅く、動き出すまでに時間がかかりますが、夜遅くまで活発でいられるタイプです。

体内時計の個人差は大きいため、もちろん、時差ぼけ・社会的時差ぼけにも柔軟に対応できる人もいます。ちなみに私は、昔はいつでもどこでも眠れて時差ぼけにも強いことが自慢でしたが、中高年になり、その睡眠適応力が落ちてきたことを実感しています。

40~50代女性はとくに睡眠の質が落ちやすい

オンラインで収集した睡眠のデータでも、男性より女性のほうが加齢による睡眠の質の低下が顕著です。

睡眠の質のみならず、睡眠効率(実際に寝た時間÷就床時間〔ベッドにいる時間〕×100)も同様で、子ども時代は100%で、思春期は90%くらい。ところが老年期になると、個人差は大きいですが70%台になります。入眠に時間がかかったり、途中で起きてしまったりしても布団のなかでゴロゴロしているイメージです。中高年とくに、更年期になるとホルモンの乱れから睡眠の質と効率がどうしても下がってくるのです。

松田英子『1万人の夢を分析した研究者が教える今すぐ眠りたくなる夢の話』(ワニブックスPLUS新書)

不眠も更年期症状のひとつです。OECD加盟国の中でも日本は睡眠時間の短さで一番(NHK報道)でしたが、とりわけ40代、50代の女性は世界的にみても仕事と家事育児介護などの両立で睡眠時間も短く、中途覚醒が増えると嫌な夢を覚えてしまう確率も高まります。

悪夢は困りますが、飛び起きるような悪夢ではない夢を覚えていたときには、よりよい生活のために利用する気持ちで、学習、問題解決シミュレーション、創造的解決に活かすのがおすすめです。

夢なんか覚えていないくらいぐっすり眠るのがもちろんいいですし、「楽しい夢」をみたときは、「精神的な健康状態もよく、日中も睡眠中も問題がなくて私は大丈夫!」とポジティブに考えるといいでしょう。

日本人の平均寿命をもとにレム睡眠の割合を睡眠時間の20~25%として計算すると、夢をみている時間は人生の6年~7年半にも及びます。

女性、男性問わず、ゆったりした気持ちで夢とつきあい、心の健康のバロメーターにしてください。

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