別荘サブスクを展開するSANUが2024年3月に発売した「1口330万円のシェア別荘」が、2時間半で全200口を完売した。購入者の多くは30~40代の子育て世代だったという。なぜ子育て世代が別荘購入に殺到したのか。SANUの福島弦代表に聞いた――。
福島弦さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
SANUの福島弦さん

330万円の別荘プラン200口が即完売

――2021年に開始した別荘サブスク「SANU 2nd Home」(月額5万5000円)は、4月末現在で18拠点100室となりましたが、登録待ちが続いています。2024年末までに30拠点200室に拡大予定ですが、なぜ買い切り型の「シェア別荘」も始めたのでしょうか。

おかげさまでSANUの事業は順調で、収益は約2年半で30倍になり、資金調達は累積で120億円になりました。共有オーナー型の構想自体はSANUの立ち上げ当初からありました。ただ、月額のサブスクと違って、共有オーナー型は30年間の契約になるため、新しい企業がいきなり始められるものではありません。状況が整ったので、このタイミングでのローンチとなりました。

2024年3月に発売した「SANU 2nd Home Co-Owners(コオーナーズ)」の第1弾「館山1st」は、販売価格330万円(税込)、年間管理費9万3600円(同)でした。この場合は年12泊、30年間で360泊できる仕組みです。

――「200枠、約6億円分が2.5時間で完売した」というプレスリリースを出されていますね。

サブスクではある程度の手応えを得ていましたが、共有オーナー型での反響がどうなるかは、ローンチしてみなければわかりません。2年半前に別荘サブスクを開始したときと同じぐらい緊張しました。あっという間に完売し、本当にうれしく思っています。

SANU提供
館山1stの外観

顧客は都市部に暮らす30~40代のファミリー

――「330万円の会員権」に購入者が殺到するというのは驚きです。

「クルマを買うのと同じぐらいの価格にする」というのが出発点でした。SANUのコンセプトは「自然と共に生きる」です。そこに共感してもらえる30~40代のヤングファミリー層が、家族会議で決められるような出費はどんなものか。そう考えました。

私自身がそうなのですが、自分の求めるライフスタイルを実現するためには、ある程度の出費は惜しみません。そのときの上限が「クルマと同じぐらい」というものでした。