地元以外に「地元のように過ごせる場所」をつくる

スケジュールに少し余裕ができたら家族で好きな場所へ、たとえば奄美大島などに飛んで、自然の中での滞在を楽しむ。その間、数本のリモート会議をこなすなど、ライフとワークを少しずつ重ね合わせながら過ごす形ですね。

そうした過ごし方には、やはり別荘という形が適しているでしょう。別荘なら子どもが走り回っても他の宿泊客に迷惑をかけることもありませんし、自宅のように人を招くこともできます。

若い世代にとっては、自分の好きな土地に友だちや両親を招いて、そこの魅力を紹介したり、おいしいお店に案内したりするのも楽しみのひとつ。僕自身も以前、母を軽井沢のSANUに連れて行ったことがあります。

特別なことは何もせず、近所を散歩して、僕の推しのレストランでご飯を食べて、泊まっただけなんですが、久しぶりに母と2人でゆっくり話せました。こういう時間も、自分の地元のように気楽に過ごせる場所があってこそ持てるもの。母もとても喜んで、次回を楽しみにしてくれています。

SANUが利用者に配布している冊子。キャビン近くのおすすめのレストランやアクティビティースポットが紹介されている。
撮影=プレジデントオンライン編集部
SANUが利用者に配布している冊子。キャビン近くのおすすめのレストランやアクティビティースポットが紹介されている。

「2拠点生活」は今後広がっていく

僕やSANUの利用者のような人たちが望んでいるのは、バカンスというより「2拠点目の生活場所を持つという新しいライフスタイル」といったほうが近いと思います。従来はそれを手が届く価格で提供してくれるサービスがなく、僕もずっとそういうものがあったらいいのになと思っていました。それがSANUを立ち上げた理由でもあります。

時間や場所に縛られることなく、自由に滞在先を選んで好きな人と好きなように過ごす。今後は、そんな軽やかなライフスタイルを求める人が徐々に増えていって、やがてはマス化する可能性もあるのではと思っています。

――「館山1st」は全200口が完売しましたが、コオーナーズの次の計画はあるのでしょうか。

おかげさまでコオーナーズは大きな反響をいただきました。そのため、7月上旬ごろをめどに第2弾を発表する予定です。また、月額制の拠点は、2025年にかけて北海道ニセコから鹿児島奄美まで全国30拠点に拡大し、国内最大拠点数の会員制別荘事業者となります。