ダラダラ過ごす時間をなくすにはどうすればいいか。建功寺住職の枡野俊明さんは「時間は主体的に使い切るものだ。やりたいことをやれないなら予定を入れてしまえばいい。プランさえあればアクティブに行動できる」という――。

※本稿は、枡野俊明『仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

床に寝転がってスマホを使用する女性
写真=iStock.com/Cecilie_Arcurs
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たくさん眠ることが「健康にいい」とは限らない

「明日は休みだ!」――金曜日の夜はことのほか心が浮き立ちます。朝寝坊できることの解放感から、夜遊び、夜ふかし、深酒をしたくなるでしょう。

しかし「整える力」の観点からは、とてもおすすめできません。規則正しく回すべき生活のリズムが崩れ、体調に悪影響をおよぼす可能性が大きいからです。

とはいえ休日の朝寝坊は気持ちのいい休息にもなりますから、ちょっと譲って、「いつもよりプラス一時間くらいなら、遅く起きてもよし」としましょう。それを過ぎると「惰眠」になります。

たくさん眠るのは健康にいいことのように思うかもしれませんが、じつは逆。睡眠の質を下げ、さまざまな体調不良を引き起こすとされています。十分に眠っているはずなのに、日中に強烈な眠気を覚える場合もあるようです。

いずれにせよ毎日の過ごし方としては、平日も休日も同じような時間帯で活動するのがベスト。“特別感”を得たいのであれば、たとえば「休前日は一時間夜ふかしして、翌朝は一時間寝坊する」程度の変更にとどめましょう。

“家でごろごろ”ノープランだからだらけてしまう

仕事で疲れていることを口実に、「休日は家でごろ寝」を決め込む人のなんと多いことか。

休みですから、何をしても自由ですが、「何もやることがないから、テレビでも見ながらごろごろと……」というような過ごし方はいけません。“なまけグセ”がついて、かえって心身の調子が悪くなるだけです。

一番いけないのは、「時間に使われている」、つまり自分から行動を起こさず、時間に流されることです。

仕事の日であれ、休みの日であれ、時間というのは自分が主体となって使い切ることが大切なのです。

考え方としては、「休日は、一週間がんばって働いた自分に、あるいは家族に、何かご褒美になることをしよう」。ノープランだからごろ寝になるのであって、プランさえあればアクティブに行動できます。

たとえば好きなゴルフに行く、映画を見に行く、家族でキャンプに行くなど、ちょっとしたイベントを企画してみましょう。休み明け、身も心も軽くなって、新たな一週間をがんばれると思います。