好きなことをすれば、不思議なくらい疲れない
好きなことをしていると、不思議と疲れません。だから、好きなことを仕事にしている人はいくら働いても疲労感に押しつぶされることがないのだと思います。
私自身、住職のほかに庭園デザイナーとして活動していますが、この仕事は本職の延長線上にある“趣味”のようなものともいえます。
また「禅の庭」を手がけるなかで、その仕事がホテルの庭園や海外の大使館の庭などに広がっていきました。さらに、「禅の庭」から派生して、そこに置く照明器具や家具などのインテリアまでデザインするようになりました。
広い視点から庭を含めた空間全体をデザインするようになったのです。これが非常に楽しくてしかたがない。疲れを感じることはほぼないといっても過言ではありません。
そんな私ですから、好きな趣味を見つけたら、それに没頭してみることをおすすめします。疲れないどころか、平日の仕事の疲れを、好きな趣味に取り組んで得られる心地よさで相殺できるくらいです。
へたに休むより、ずっと元気になります。趣味で健康増進ができる、といってもいいでしょう。
好きなことを「広げる」「深める」方法
好きではじめた趣味でも、楽しむうちに、その世界を探求したい気持ちが動き出すことがよくあります。前項でお話しした私の庭園デザインもその例に漏れません。
趣味の世界を広げる、もしくは深める際のキーワードは「探求心」です。方向性はおもに2つ。1つは、好きなことの枝葉を広げていくことです。
たとえばジグソーパズルが趣味だとして、風景やお城、名画、人物など、いろいろな絵柄に挑むなかで、その背景や歴史などに興味を持ちはじめたらどうでしょうか。次から次へと知りたいことが出てきて、教養を広げる勉強につながっていきます。
もう一つの方向性は、趣味の世界を深掘りすることです。私の知り合いは現役時代から地元の歴史を調べるのが好き。休日には近隣をあちこち歩き回ったり、図書館で調べ物をしたりしていました。
そしてリタイアしたいまは、地元の郷土史のスペシャリストとして、ボランティアガイドを務めています。とても生き生きとしています。
いずれのケースもまさに「趣味は身を助ける」。枯れることなくますます盛んな探求心は、アグレッシブな生き方を支えてくれるもののように思います。