一日を爽やかに始めるための朝の習慣は何か。建功寺住職の枡野俊明さんは「朝からスマホは絶対に見てはいけない。心静かに一日をスタートするどころか、疲れ切ってしまう」という――。

※本稿は、枡野俊明『仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ソファに座ってスマートフォンを使用する女性
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30分早く起きることで、朝食がおいしくなる理由

「起きてすぐは食べられない」という声をよく聞きます。

たしかに、起きた瞬間に「お腹が空いた」とはなりにくい。胃もまだ動きはじめていないので、食欲がわかないかもしれません。朝食抜きの人が多い背景には、そんなこともあるのでしょう。

私が「いまより30分早く起きる」ことを提唱する理由の1つは、まさにそこにあります。30分の間に、家の窓を開けて回ったり、坐禅をしたり、お経をあげたり、掃除をしたりすれば、それだけ体を動かしますから、お腹も空きます。胃腸も動き出します。

起き抜けには無理でも、ひと仕事したあとなら食欲もわくというものです。

私自身は4時半ごろに起きて、6時半くらいに朝食をとります。つまり朝のお勤めは、2時間。その間、境内をけっこう動き回るので、かなりお腹が空きます。「食べないではいられない」くらいです。

みなさんの場合は「いまより30分の早起き」で体を動かすので十分。ひと仕事したあとは、朝食がいっそうおいしくいただけると思います。