睡眠時間はどれぐらいが適正なのか。東洋大学の松田英子教授は「日中に気分がめいったり、眠気でパフォーマンスが低下したりする人は『睡眠負債』が疑われる。一方、午前10時から11時の間に眠気がない人は、適正な睡眠時間をとれている」という――。(第2回/全2回)
※本稿は、松田英子『1万人の夢を分析した研究者が教える今すぐ眠りたくなる夢の話』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
ショートスリーパーは社会適応度が高い傾向
夢を生みだすもとになる睡眠にも大きな個人差があります。次の3つが代表的です(*1)。
1.健康的な生活をおくるうえで必要とする睡眠の量(いわゆるショートスリーパーかロングスリーパーか)
2.睡眠の質(安眠型か不眠型か)
3.睡眠の位相[時間的調節](リズム:いわゆる朝型か夜型か)
2.睡眠の質(安眠型か不眠型か)
3.睡眠の位相[時間的調節](リズム:いわゆる朝型か夜型か)
それぞれについて特徴を確認していきましょう。そしてみなさんも、睡眠について気になることがありましたら、お時間のあるときに自己点検してみてください。
・短時間睡眠型の人(ショートスリーパー)は不安が低く、活動性が高く、外向的、社会適応度が高い傾向にある。
・長時間睡眠型の人(ロングスリーパー)はその逆で、神経質かつ内向的。柔軟な思考性はあるが、社会適応度は低く、不眠型に移行しやすい。
・安眠型は自己主張が強く、攻撃的で社会適応性がある。
・不眠型は神経症傾向、内向性と抑うつが高く、身体的不調の訴えが多い。
・朝型は内向型で、午前中の活動性が高い。
・夜型は外向型で、夕方からの活動性が高い。交代勤務への適応性があるが、睡眠に関する訴えが多い。
・長時間睡眠型の人(ロングスリーパー)はその逆で、神経質かつ内向的。柔軟な思考性はあるが、社会適応度は低く、不眠型に移行しやすい。
・安眠型は自己主張が強く、攻撃的で社会適応性がある。
・不眠型は神経症傾向、内向性と抑うつが高く、身体的不調の訴えが多い。
・朝型は内向型で、午前中の活動性が高い。
・夜型は外向型で、夕方からの活動性が高い。交代勤務への適応性があるが、睡眠に関する訴えが多い。
このように睡眠の傾向には個人差があるものですが、睡眠の量やリズムは科学的に「これがベスト」という答えがあるわけではなく、一人ひとり最適な形が異なるため、いずれも日中の生活や社会的機能に不都合がなければ大丈夫です。年齢によっても、体力や日中の生活のパターンによっても変わってきます。
*1 松田英子・津田彰(2015).『睡眠の個人差の理解と心理学的支援~眠りにまつわる問題解決のために~』.フィスメック