CM女王の2トップはいずれも「九州出身の女優」
今期の春ドラマでは2人の人気女優の対決が話題となっている。
今月発表された「令和タレントCM起用者社ランキング」(2019年~23年、ニホンモニター調べ)で、1位の川口春奈(33社)と僅差で2位の今田美桜(29社)が、それぞれ連ドラの主役となったからだ。
川口は19歳・29歳・39歳の3姉妹が自分の生きる道を模索する「9ボーダー」(TBS系、金曜22時)に、一方、今田は池井戸潤原作の「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系、土曜21時、以下花咲舞)のヒロインである。後者は、銀行を舞台に、不正を絶対に見て見ぬふりできない花咲舞が、弱い立場の人たちのために立ち上がる姿がお約束のシーンで、2014~15年、杏主演で放送して大ヒットしたのに続く第2弾だ。
両ドラマとも話題になっているが、放映開始からの数週間の視聴実態を分析するとその勢いに変化が生じていることがわかる。その興味深い結果を報告する前に、2人の略歴を簡単に紹介しよう。
川口は、今期のドラマの役と同じ29歳で、4年前にブレークした。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、逮捕された沢尻エリカの代役を急遽勤め話題となったのが転機だった。その後20年秋の「極主夫道」(読売テレビ系)でヒロイン役、21年春「着飾る恋には理由があって」(TBS系)で主演、22年前期後期と連続してNHK連続テレビ小説(「ちむどんどん」「舞い上がれ!」)に出演し、同年秋に主演した「silent」(フジテレビ系)が社会現象となるほどヒットした。そして23年夏「ハヤブサ消防団」(テレビ朝日系)のヒロインに続いて、今回の「9ボーダー」主役と引っ張りだこだ。
一方の今田(27歳)のキャリアは、川口にやや遅れる。
ヒロインに抜擢された映画『東京リベンジャーズ』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞をとったのが3年前。テレビの連ドラ初主演は「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)の2年前。そして去年は春と夏に連ドラで主要な役を演じ、秋には「いちばんすきな花」(フジテレビ系)で主役となった。今回の「花咲舞」は連ドラ3本目の主役である。
さて、それぞれが主演を張るドラマの評判はどんなものなのか。