※本稿は、大島一太『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
「体の硬さ」と「血管の硬さ」の関係
「100年寿命の時代」を健康的に生き抜くうえで不可欠な要素とは、「歩く力」と「食べる力」、つまり「足」と「歯」の2つに集約されます。
そこで、ここからは心臓力を強化するための決め手である、「歩く力」と「食べる力」の2大要素をいかに維持・向上させていけばよいのか、について紹介します。
まずは、心臓力強化のための運動について。
カラダのかたさと血管のかたさを調べた研究によると、40歳以上になると、カラダがかたい人ほど血管もかたく、動脈硬化の進行が早いという結果が示されています。
また、カラダや血管がかたい人が柔軟体操やストレッチを取り入れると、カラダがやわらかくなり、血管もまたやわらかくすることができます。
ストレッチを行うと、血管を柔軟にする「NO(エヌオー)」という物質が増え、血圧を下げる効果があらわれます。そうすると、血管に血液を送り出す心臓にかかる負荷が軽くなり、心臓力も高まるのです。
心臓病と診断されていても、運動は効果的
さらに、やわらかいカラダは、転倒や骨折のリスクも大きく低減します。
また、心臓力をパワーアップさせるためには、有酸素運動も外せません。十分に酸素を吸って、苦しくならず、全身の血流をよくする運動が、有酸素運動です。代謝をうながし、カラダから不要な脂肪や糖分を追い出し、少し軽い筋トレを追加すれば、下半身の強化にもつながります。
日々の生活のなかに新たにストレッチや有酸素運動を取り入れ、心臓力をアップさせることは、「100年寿命」へのカラダづくりの基本となるのです。
そこで、自宅でできるストレッチや有酸素運動を中心に、心臓力をアップするためのエクササイズを紹介します。たとえ心臓病と診断されていても、運動療法は効果的です。医師と相談しながら、自分の状態にあわせて取り組んでください。