目安は「ラクである」から「ややきつい」の範囲

運動しながら心拍数を測るのは難しいのですが、「きつい」と感じる自覚症状と有酸素運動の上限がピタリと合うことが、過去の研究でわかっています。

これを「ボルグ指数」といいます。

1962年、スウェーデンの心理学者グンナー・ボルグ氏によって開発され、運動を行う本人がどの程度の疲労度、きつさを感じているかを測定する指標です。ボルグ指数では、「非常にラクである」から「非常にきつい」までの自覚症状を、6~20の数値で表します。

大島一太『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)
大島一太『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)

このうち、「ラクである」から「ややきつい」の範囲内で行う運動が、有酸素運動の目安です。「ラクである」の感覚は、「運動しながら会話ができるくらい」の程度です。

その範囲でウォーキングを継続していけば、だんだん歩ける距離が長くなります。

効果は2週間であらわれ、カラダの本来存在すべきでない組織にたまった内臓脂肪や異所性脂肪も徐々に減り始めます。さらに10週間続けると、血圧は5~10下がり、インスリンの効きがよくなって血糖値も改善、中性脂肪も減少します。

もちろん、運動療法の効果は人によってさまざまですが、長く安全に続けることで、よりよい効果が得られます。

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