配当株投資が「王道」であり、配当金は「主産物」の理由
株式投資をしている人の多くは、株価上昇による利益を「主産物」と考えて、配当金は単なる「副産物」や「おまけ」のように考えていますが、私はまったく逆の見方をしています。
株式投資の「王道」は配当株投資であり、配当金がその「主産物」だということです。
株式投資の本来の趣旨は「多くの人からお金を集めて、それを元に企業が頑張って成果を出しその利益の一部を株主に還元する」ということにあります。
これが株式投資の本筋ですから、配当株投資を王道と考えて、配当金を主な目的にすることは、極めて合理的な投資活動だと思っています。
投資先企業の経営トップが自社のホームページなどで発信する情報を見れば、私が配当金を主産物と考える理由が、ご理解いただけると思います。
日本企業の多くは、3月期決算であれば、4月から5月にかけて決算内容を発表して、「決算の結果を受けて、いくら配当金を出すか?」という最終結論を出します。
それと同時に、「今期は、どのように配当金を出していくか?」という予想を発表します。
ここで注目したいのは、経営トップは配当金に関しては予想を出しますが、「今期の株価がいくらになるか?」を予測したり、担保することはないという点です。
株価を担保することなど、誰にとっても不可能なことですが、企業のトップが責任を持って担保できないようなものに対して、私は自分の大切な財産を委ねる気にはなれません。
これから先も安定した利益を得ていくためには、不確かなものを主産物と考えるのは、やはり無理があると思ってしまうのです。
株式投資で利益を上げ続けられる2タイプ
株式投資をやっている人でも、配当株投資の底力をきちんと理解している人は、それほど多くはないように感じています。
それは、配当株投資の実態や本当の魅力を知らないだけでなく、短期間で利益を上げることばかりを最優先させているからではないでしょうか?
自分でもよくわからない企業の株を買って、その株価の動きに一喜一憂しながら売買を繰り返し、結局は「退場」や「引退」を余儀なくされてしまう人も少なくありません。
退場とは、「投資行為を諦める」という意味の相場スラングで、経済的にピンチに陥って株式投資を「やめざるを得ない」状況を指します。
引退は、自らの意思で株式投資から身を引くという意味です。
株式投資で利益を上げ続けられる人は、2つのタイプしかいないと思っています。
ひとつは、見事なまでに相場の動きを読み切れるような、ごく一握りの稀有な才能を持った人たちです。
もうひとつは、配当株投資などをやっている、いわゆる「長期投資家」です。
配当株投資は、短期間で利益を得たい人には「物足りない」と感じるかもしれませんが、個人投資家の時間軸をフル活用して、「長い目で見る」という覚悟を決めれば、やがて利益を享受できる日がやってきます。
「急がば回れ」ではありませんが、稀有な才能を持っているという自覚がなければ、王道の配当株投資を選択するのが賢明だと考えます。