※本稿は、配当太郎『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
「保有株の9割が増配中」は決して珍しくない
これから配当株投資を始める人にとって、最も気になるのは、「どのくらいの企業が増配しているのか?」ということではないでしょうか?
私が保有している銘柄(株を発行している企業名)でいえば、2022年は約9割が増配しているのが現状です。
昨年に限ったことではなく、基本的には、長らく増配が続いているという状況です。
私のポートフォリオ(所有している株の組み合わせ)全体で見ても、前期と比べたら、増配の恩恵だけで配当金が10%くらい増加しています。
この先も10%ずつ増えていくかどうかはわかりませんが、仮にこのペースが続いたとすると、およそ7年で現在の配当金が2倍になる計算が成り立ちます。
こうなると、企業の決算発表が楽しみになって、ワクワクしながらその日を待つことになります。
金融の世界には「72の法則」と呼ばれる計算式があります。
資産運用の際に、元本が2倍になるまでの年数と利回りが簡単に求められるというもので、一説にはイタリアの数学者で「会計の父」とも呼ばれたルカ・パチョーリが考案したといわれています。その計算式は、次のようになります。
72÷金利(%)=投資期間(年数)
先にお伝えした「配当金が10%ずつ増えていけば、配当金がおよそ7年で2倍になる」というのは、この計算式で算出したもので、「72÷10(%)=7.2(年)」となります。
追加投資をして株数を増やさなくても、複利効果によって約7年で2倍になるということです。
あくまで概算ですが、配当株投資を進めていく上での、ザックリとした目安にはなると思います。
銀行の普通預金の金利は現在0.001%ですから、この計算式に当てはめてみると、50万円を預けても、それを100万円にするためには、実に7万2000年が必要であることがわかります。
普通預金に大事な資産を預けたままにするより、配当株投資を始めた方がいい……と考えるのが、ごく自然なことのように思えます。
配当株投資で増配を享受していくためには、「今後の成長が見込める企業をどのように選んで、いかにその株を増やしていくか?」が大きなカギを握ります。
なお、投資先の企業を「どのような基準で選ぶか?」については、本書の別の章で詳しくお伝えしています。