投資は「近い将来の資金作り」には適さない

——焦って、短期間に儲けようとしてはいけないってことですか?

【藤原】そうです。チェックリストにあったように、来年、教育資金が必要なので、そのために今あるお金を2倍にしたいからという動機には向きません。1年や5年だと元本割れする可能性があるわけですから。近い将来の資金作りには適さないってことですね。

——「人生100年時代に備えて」と盛んにコマーシャルされたりしていますものね。

【藤原】今や、2007年生まれの子の半分は107歳以上生きるという予測があるくらい、超長生き時代が到来しています。死亡リスクから生存リスクへと時代は進化しているのですが、その中で考えなければならないことは「お金に働いてもらう」という思考です。

資金の中でほうっておける、または長期に積み立てが可能な資金に関しては「お金にも働いてもらう」=投資するという考え方ですね。

やはり、この超低金利時代。何もしなかったら、お金はほとんど増えてはいきません。できれば、余剰資金に働いてもらえるならば、それに越したことはないわけです。

そのために、人生の3大資金である「教育・住宅・老後」を含めたライフイベントのリスト作りをお勧めしています。

——リスト作り? どのように作るのでしょう?

【藤原】まずは図表5の「ライフイベント」のようにこれからの生活の中で「いつ、何に、いくら必要か」をリストアップします。

出典=スマイルライフプロジェクト

今後、何にいくらかかりそうか予測を立ててみる

そうすると今後10年間でかかる必要資金を予想して、「3つの財布」の円グラフを作成することができます。

「3つの財布」とは、①ゴール資金、②緊急予備資金、③長期資金です。

例えば、預貯金が2000万円あったとして、住宅改修、子どもの入学金や学費など今後10年間で予定されている特別支出の合計が700万円としましょう。これが①の「ゴール資金」です。

さらに、イザというときの緊急予備費として300万円をよけておくと。これが②の「緊急予備資金」です。これら①と②は、投資には回せないお金です。逆に残りの1000万円は、この10年間は触らないで置いておけるお金だとすれば、それが③の「長期資金」として投資に回せる資金=投資可能資金ということになるのです。(図表6)

出典=スマイルライフプロジェクト