「元本割れだけは絶対に嫌だ」など、投資をしてはいけない人12

【藤原】そうですね。まずは簡単に「投資をしてはいけない人」を挙げてみましょうか。

1 10年以上、手を付けずにおいておける資金がない
2 投資をするのに目的など必要ない。とにかく儲かれば良いと思っている
3 信頼性の高そうなもうけ話には耳を傾ける
4 投資の手法について理解しているつもりでも、自分で何をやっているか、たまに分からなくなる
5 資金を1年後に2倍に増やしたい
6 投資のリスクとは元本割れや値下がりのことで、そのようなリスクは取りたくない
7 元本割れだけは絶対に嫌だ
8 証券会社または銀行の担当者のアドバイスだけを頼りにして売買している
9 今後の価格が上がるとか下がるとかの、将来の予測ができるかが重要である
10 「利回り10%で元本割れなし」の特別キャンペーンを勧められたら迷わず購入する
11 理屈を淡々と説明する担当者よりも、儲かりそうな商品をいろいろと提案してくれる担当者のほうを好む
12 手数料はなるべく安いほうが良いが、利益が出るならあまり気にしない

これら12項目のうちの3項目以上に該当する人は「投資には向いていない」と言えるでしょう。

日本人はお金のことを学ぶ機会がないまま社会人に

——そうですか、私はほとんどがイエスでした……。お金は増やしたいのは山々ですが、今はメガバンクの普通預金の金利が0.001%で、期待できません。そうなると投資という話になりますが、リスクがあると聞くと途端に腰が引けます。どうするのがベストなのか皆目、見当がつきません。

舞い落ちる大量の一万円札
写真=iStock.com/fatido
※写真はイメージです

【藤原】日本人はお金のことをしっかり学ぶ機会がないまま社会人になるので、いい大人であっても、投資についてはよくわからないという方が多いかもしれないですね。A子さんも大事な退職金をよく理解しないままに投資してしまったのはとても残念なことです。

まずは、「リスク」という言葉ですが、これは「元本割れ」などマイナスのイメージに取られがちなんですが、実は倍に増えるのもリスクって言うんですよ。つまり、収益の振れ幅の不確実性のことを投資の世界では「リスク」と呼ぶんです。ここをまずは押さえておいてくださいね。

この振れ幅は大きかったり、小さかったりするんですが、値動きが大きいよりも小さいもの、つまり「リスクの低いもの」を好む人の方が多いですね。