仕事と遊びの関係性を知る

先進的な企業は、遊びの重要さに気づいている。

グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』(かんき出版)

ツイッター社のディック・コストロ元CEOは、お笑いを社内に広めようと、即興コメディのクラスを創設した。自身も元コメディアンだったというコストロは、即興コメディを通じて社員の知性に広がりを持たせ、柔軟でクリエイティブな発想を伸ばすことができると考えている。

オフィス環境に遊びを取り入れている企業も多い。世界最高のデザインコンサルタント会社であるIDEO社は小型バスの中でミーティングをおこなう。グーグルの敷地では、巨大な恐竜の体にピンクのフラミンゴがまとわりついている。ピクサーのスタジオでは、各自が自由すぎる発想でオフィスを飾り立てている。たとえば西部劇に出てきそうな酒場、山小屋、そして天井から床まで『スター・ウォーズ』のフィギュアに覆われた部屋。

ある出版社で働いていた知り合いの女性は、デスクにイージボタン(押すと「楽勝だぜ!」としゃべるおもちゃ)を置いていた。彼女のところにやってきた同僚たちは、話が終わると遊び心で大きな赤いボタンを一押し。「楽勝だぜ!」という大声がオフィスに響きわたる。また同じ出版社で働いていた別の女性社員は、絵本のポスターを額に入れて飾っていた。絵本に出会った頃の楽しい気持ちを忘れないためだ。

そうしたおもちゃやフィギュアや恐竜を、くだらないと思う人もいるだろう。だが、こういう小さな遊び心こそが、何よりも大切なのだ。遊びなんてくだらないという非エッセンシャル思考の思い込みに、彼らはノーを突きつける。遊びこそが創造性と探究心の源だと知っているからだ。

遊びは本質を探求するのに役立つだけでなく、それ自体がどこまでも本質的なのだ。

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